ケアの悩み

介護の移乗でズボンを引っ張るのはNG?デメリットと対処法を詳しく紹介

介護の移乗でズボン引っ張るのって、いけないのかな?先輩がやってたからマネしたんだけど、怒られちゃった。簡単にできて以外にスッと移乗できるから、楽なんだけどな。

この記事では、介護の移乗でズボンを引っ張るのはNGなのかと適切な移乗方法について解説します。

きちんと立位が取れない方で体格も良くて重たいと、ついズボンをつかんでグイッとやってしまいがち。

手軽にできるからいいんですが、実は利用者さんに負担をかけている場合があります。

最悪の場合、皮膚を傷つける恐れがあるのでNG。また転倒しやすい恐れもあるので、適切な介助をすることが大切です。

今は福祉用具も進歩しているので、うまく活用していくと体の負担が少なくてすみます。

ソフィア
ソフィア
福祉職20年の私が詳しく解説します。適切な移乗方法を知って、事故を防いでいきましょう。

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介護の移乗でズボンを引っ張るのはNG?

基本的に衣類を引っ張っての介助は、事故を起こす恐れが高いのでNGです。

ズボンを引っ張る移乗がNGなワケ
  • 皮膚を傷つける
  • 衣類をダメにする
  • 転倒する恐れがある
ソフィア
ソフィア
皮膚を傷つける恐れもあるので、できればやめておいた方が良いでしょう。

皮膚を傷つける

衣類を引っ張って介助すると、しっかり利用者さんの体を支えられないですよね。

皮膚は傷つきやすい
  • 衣類やオムツなどと皮膚がこすれて、発赤や内出血になる恐れがある
  • 糖尿病で傷が治りにくい人だと、傷ができてしまうと大変
  • ズボンを引っ張った際、肌着が皮膚に食い込んで跡になる恐れもある
ソフィア
ソフィア
ゴムの入った部分が皮膚に食い込むので、想像しただけで痛いのが分かりますよね?

衣類をダメにする

ズボンをグイっと引っ張れば、当然ゴムや生地が伸びてダメになりますね。

生地によっては、ビリビリに避けてしまうかもしれません。

衣類が痛むと家族は悲しい
  • 新しいズボンをすぐにダメにしてしまうと、用意する家族はとても負担
  • それ以上に、何でこんなに衣類をすぐダメにするんだろうと不信感を持つ

体を支える適切な介助をすれば、衣類をそれほど傷める必要がありません。

ソフィア
ソフィア
衣類がダメになるのは、職員の力量がないと言っているのと同じことなんですよね。

転倒する恐れがある

ズボンを引っ張るだけだと、利用者さんの体をしっかり支え切れません。

体の大きい人だと、利用者さんが立とうとする力も必要になります。

でもしっかり立てないと、そのまま腰砕けになったり転倒したりといった事故につながります。

ちょっと車椅子へ移乗しようと思ったのに、転倒して怪我をさせてしまった…。
ソフィア
ソフィア
そんな大事にならないためにも、体を支えてしっかりした移乗方法を身に着けておきましょう。

ズボンを引っ張らない移乗方法

ここでは、利用者さんの移乗方法について紹介します。動画も紹介するので、合わせて確認しながらコツをつかんでください。

ズボンを引っ張らない移乗方法
  • 適切な移乗介助手順
  • しっかり腰を落とす
  • 福祉用具を活用する
ソフィア
ソフィア
移乗は利用者さんの体を支えることが基本です。また体勢にムリがあると腰を痛めてしまうので、介助する姿勢も気をつけてくださいね。

適切な移乗方法を知ろう

ベッドから車椅子など移乗するには、利用者さんの体を支えるのが基本です。

以下のような手順で、一つ一つ確認しながら行うと良いでしょう。

適切な移乗手順
  1. 車椅子をベッドの近くに持ってくる
  2. ブレーキをかけたか確認する
  3. 車椅子のアームレストを外す
  4. ベッドをちょうど良い高さにする
  5. 利用者さんを端座位にする(この時も背中を支えるなど手を離さない)
  6. 靴を履いてもらう
  7. 利用者の両足の間に自分の片足を入れる
  8. 自分の腰を落とし利用者を抱え込む
  9. 腰からお尻にかけて手を回す
  10. 片足で車椅子の前車輪を抑えて固定する
  11. 利用者に立ちますよと声をかけて自力動作を促す
  12. 場合により反対側のアームレストをつかんでもらう
  13. 腰からお尻にかけて支えながらお尻を上げて車椅子へ優しく移す
ソフィア
ソフィア
ポイントは、利用者さんに「立ちますよ」と動作を促すことです。

意思疎通できない人でも、声をかけるってすごく大切なこと。介護士として忘れちゃいけないポイントですね。

ベッドの高さは利用者の足がつくようにしましょう。踏ん張れるようにね。

移乗する際は、必ずお尻を浮かせてやってくださいね。お尻を擦ったまま移乗すると、傷をつけてしまいます。

ケアきょうさんの動画がすごくわかりやすいので、こちらを見ながら練習してみてくださいね。

しっかり腰を落とそう

介護士
介護士
移乗って、けっこう腰を痛めるんですよね。力で支えるから大変で…。
ソフィア
ソフィア
ムリな体勢をとると痛めやすいですよね。私もけっこう腰を傷めました。

腰を傷めないためには、両足を開いてお尻をしっかり落とすこと。それと抱え上げようとしないことです。

端座位から、立ち上がる時のことを想像してみましょう。立ちあがる時は、一度足を引き、お尻を引きます。そして頭を下げながら立ち上がろうとすると、自然とお尻が浮くんですよね。

利用者の立ち上がりを介助する時も、この人間の自然な動作を利用すべきです。その方が職員の腰への負担も少なくて済みます。

腰に不安がある人は、介助の時だけ骨盤ベルトを巻くと安心です。くれぐれも介助が終わったら、外すようにしてくださいね。

福祉用具を活用しよう

最近の施設では、福祉用具を活用するところが増えてきました。

  • 移乗用リフト
  • スライディングボード
  • スライディングシート
  • マッスルスーツ

こういった用具を利用することで、職員の負担が確実に減ります。

ソフィア
ソフィア
やっぱり移乗時に腰を痛める職員って多いんですよね。一日何回も抱えて移乗すると、腰への負担が積み重なっていきます。

そうした負担を最小限にするためにも、福祉用具を活用することをおすすめします。

移乗用リフトなどは施設で導入となると、管理者の許可が必要です。金額も安くないので、必要な理由や有効性を明らかにして説得する必要があります。

スライディングボードやスライディングシートは比較的安価で、導入しやすいです。たったボード一枚、シート一枚ですが使い方を知ればすごく楽です。

またCMやTVで話題!マッスルスーツEvery(エブリィ)はジョイフル本田などで試すことができます。

ソフィア
ソフィア
施設で一台持っておいて、必要な時に使用する形であれば導入しやすいですよね。充電もいらないので、エコな福祉用具です。



ズボンは引っ張らずに移乗しよう

移乗、介護の移乗でズボンを引っ張るのはNGなのかについて解説しました。

ズボンを引っ張る移乗がNGなワケ
  • 皮膚を傷つける
  • 衣類をダメにする
  • 転倒する恐れがある

ズボンを引っ張ることはついやってしまいがちですが、利用者さんへの負担も大きいです。転倒する恐れがあるため、推奨されません。

ズボンを引っ張らない移乗方法
  • 適切な移乗介助手順
  • しっかり腰を落とす
  • 福祉用具を活用する

今はYoutubeでも移乗方法の動画を手軽に見ることができます。

ソフィア
ソフィア
できるだけ腰への負担を軽くするためにも、適切な姿勢を知って、福祉用具など利用していきましょう。

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この記事を書いた人

CareBreakの管理人ソフィア

福祉職20年の人。転職経験あり、人間関係で病んだ過去もあります。

当ブログでは、介護職さんの感じるモヤモヤを解消できるような情報を発信しています。

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